Memory


夜勤明けの朝、頭の中は薄靄がかかっている。
サンマルクカフェでクロワッサンを食べながら、
原美術館に行こうと思っていた。
確か五反田だったよな。
山手線を降りて、適当に歩き出す。
川を渡る。
前に来たときも川を渡ったけれど、
こんな川じゃなかったような。
(追記:品川から行くときに川を渡るような…)
方向転換。
ソニーのビルが遠くに見えて、
無事に軌道修正完了。

右手に人だかりを発見して近寄る。
劇団四季のCATS。
当日券残席、C席1枚。
昼から社会学か何かの講演会を
申し込んでいたのだけれど、
内容からして眠りそうだったし、キャンセルした。
田舎にいた頃は、
東京に帰ったら劇団四季を見たいと
よく思ったのに、帰京5年を経て漸く実現。

少しでも、魂が巻き込まれて
押し流されそうなものに
接したかった。

開場まで時間があったので、
当初の目的を果たすため原美術館に寄る。
原美術館は、
私が勝手に「部屋モノ」と命名した
常設コレクション数点と
こじんまりした雰囲気が好き。
ジェイソン・テラオカの展示「隣人たち」は
漫画のようで面白かった。
意図したのかしないのか、
人間の目線の先にある光景を想像させる
構図になっている。
しばし妄想をたくましくして楽しむ。


CATSシアターに戻る。
舞台装置が凝っていて
ディズニーランドに来たかと思うほど。
客席含め、円形劇場全体に美術が施されていて
照明も綺麗だった。
まあ上手いのは当然として、
役者さん全員の目線が常に、
見事なまでに劇場全体をカバーしていて
端の席、二階席の人間も満足できる。
カチッと位置が決まる。
身体も決まる。
客の巻き込みも上手い。
「通」の人たちが、不自然でない程度に
盛り上げている。

中休みに驚いたのは、
尾篭だがトイレのこと。
女性トイレの入口と出口が別になっているせいで、
列が予想以上の高速で動く。
会場進行に携わったことのある人は
分かると思うけれど、
中休み後の進行や雰囲気を乱さないためには、
トイレの円滑な進行は重大な意味を持つ。
1000人超の観客席を持つ会場内に
客用トイレが一箇所しかないこと、
誘導係の配置(トイレの中にも配置されている)、
表示なども考え抜かれていて、
アートの域に達している。

トイレで妙に感動していたが
Memoryを聞いた途端に我に返り、
すっかり忘れていたことを思い出した。
高校の頃、仲の良かった友人が音楽部で
ミュージカルを作っていて、
この歌に惚れ込んで何度も聞かされたのだった。
大学に入って何とはなしに音信が途絶えた彼女と
また連絡が取れればよいがと思う。

Every street lamp
seems to beat
a fatalistic warning
Someone mutters
And the street lamp gutters
and soon
it will be morning

Memory
All alone in the moonlight
I can smile at the old days
I was beautiful then
I remember
The time I knew what happiness was
Let the memory live again

Burnt out ends of smoky days
The stale cold smell of morning
The streetlamp dies,
another night is over
Another day is dawning

Daylight,
I must wait for the sunrise
I must think of a new life
And I mustn't give in
When the dawn comes
Tonight will be a memory too
And a new day will begin

Daylight
See the dew on the sunflower
And a rose that is fading
Roses whither away
Like the sunflower
I yearn to turn my face to the dawn
I am waiting for the day . . .


Touch me, it's so easy to leave me
All alone with the memory
Of my days in the sun
If you touch me
You'll understand what happiness is
Look, a new day has begun
(バージョンは色々あるみたい)

CATS Memory - Elaine Paige
http://www.youtube.com/watch?v=cJHzoAmA8Ec





2007⁄01⁄13(Sat) 19:09   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(2) | Trackback(0) | ↑Top
美しい街並み。


「都市デザイン」という言葉は、
「建築」に比べるとなじみが薄い。
都市計画、再開発計画などの
大規模なものから
駅前広場に代表されるような
パブリックスペースのデザイン
というようなものまでも指す。
意味するところは幅広い。

夜、「都市デザイン」の現場で活躍される
倉田直道氏の公開講座を聴講。
以前から、
都市デザインとはどんなものなのかが
気になっていた。

倉田氏が今まで関わってこられたのは
横浜ベイサイドマリーナ
さいたま市北部拠点宮原地区デザイン指針
(街路・歩行者デッキ)
小松駅周辺ふるさとの顔づくり
江東区しおかぜ橋
などなど。

お話を伺ってみると、
美しい景観を実現するのは
実際のところ、かなり険しい道のりのようである。

住人にとって住みよいことと
自治体の利益が上がることは
相反する場合が多い。
たとえば、
ジェイコブズによれば
街区の規模が小さいほど
歩いていて街の魅力が感じられるそうだ。
(確かに区画が大きいと、殺風景に感じられる)

ところが、街区を小さくするとは
道を沢山作ることであり
道を沢山作れば
宅地化できる土地が少なくなり
つまるところ
自治体にとっての利益が少なくなる、
というふうに。

そのへんから始まって、
美しい景観を生み出そうとする
多くの都市デザイナーの試みと
発注者の思惑は異なることが多く
結局のところ、
ひとつの道路でさえ
設計は細切れで発注され
一貫した景観のデザイン性は
保たれることなく終わる場合が多いらしい。

日本では
「美しい景観」のニーズは
現実問題として明らかに高まっているのに、
法律や制度にしばられて
都市デザイナーは仕事ができない
という苦しい現状がある。

海外と日本の違いはと問われて
「海外には役所に(都市デザインの)
プロがいるからね」
と答えられたのが印象的。

国内でも、理解ある自治体が
僅かに存在するらしいのは
唯一の救いだが、
住民にとって切実な景観問題が
意外にも住民抜きで
語られてはいないだろうか。

街にデザイン性ある
道路や木々や広場を望む
一国民として
景観に関する理解を深め、
自治体に良心的判断を迫っていくことは
急務ではないか。

メディアはこのあたりの視点を
もっと取りあげてみては
いかがだろうか。
と、いつになくテンションが高いのは
単にわたしが
道とあかりと緑と広場が
好きだからに違いないけれど。

それにしても開催地たる
わが母校の変貌ぶりに驚く。
見慣れぬ「タワー」が出現し
おんぼろ学生会館はガラス張りのビルに変身、
校舎内の内装も新しい。
ふとガタつく木机が
妙に懐かしかったりもする(笑)






2007⁄01⁄10(Wed) 00:06   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(2) | Trackback(0) | ↑Top
植物ランプ


mixiで美術館情報コミュに登録したら
えらい勢いでイベント情報が更新される。
いろんなものが混じってはいるが、
お手軽といえばお手軽。
情報を見たのが展示終了後だったのが悔やまれるのが
かないいちろうさんの植物ランプ。
植物でランプシェードを作られているとのこと。
http://asquare.jp/kanaiichiro.htm

5枚目と8枚目の写真が、とても良い感じ。
実物を見てみたい。

未確認情報だけれど、
来年、葛飾区の瑞慶山應無寺という
お寺で展示があるらしい。






2006⁄12⁄28(Thu) 10:05   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top
スコープ少年の展覧会開始。


スコープ少年の不思議な旅 スコープ少年の不思議な旅
巖谷 國士、桑原 弘明 他 (2005/11)
パロル舎

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以前に日曜美術館で見て本屋に直行した
桑原弘明さんの展覧会が始まっているようです。
小さな箱の中に広がる小さな世界。
こういうsmall world風の作品には理屈じゃなく
惹かれますねえ。
万華鏡好きにも通じるのかなあ。
え、のぞき趣味?(笑)
とにかく見たい。
日によって展示作品が違うらしい。
しかも平日6時半まで、日曜休み。
期間も来週までぐらいとけっこう短い…(涙)

mixiに桑原弘明コミュがありまして
行かれた方の感想などが載っています。

とりあえず、こちらで展覧会があるそうです↓
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2006/061209.htm

最近フリーク風の話題が続いてましたので
久しぶりに普通っぽい話題にしてみました…(笑)






2006⁄12⁄10(Sun) 19:27   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top
LIGHTS


実物が展示されてるのかと思って
見に行ったら
パネル展示だけでがっかりだった
TOKYO LIGHTSの最終審査結果が
掲載されていました。
http://www.tokyolights.jp/jpn/entry/index.html

残念ながら、私が投票したのは
優秀賞だった。
https://www.tokyolights.jp/jpn/vote/img/04.jpg

たしか、skyさんが投票したのが最優秀賞じゃないかしらん。
シンプルで良いですよね。



新宿のクリスマスイルミネーション
あの寒々しい青色、なんとかならないんでしょうか。
http://xmas.yahoo.co.jp/illumination/5.html

東京では、丸の内あたりが
一番まともな気がします。
http://xmas.yahoo.co.jp/illumination/6.html

御殿場のは凄い。
http://xmas.yahoo.co.jp/illumination/9.html



年末あたり、
近所の公園を安価にライトアップする計画を
検討中です。
(勝手にやっちゃいけないのかもしれないけど)


キャンドルを沢山置くのが
一番美しい気がするのだけれど、
万一を考えると
炎が消えるまでそこに待機しないといかんのだよね。
それは…寒い(笑)

もろもろ調査中。








2006⁄11⁄28(Tue) 23:31   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top
サイン。


夜、住友ホールにて
茂木健一郎×佐藤可士和×住吉美紀対談を聞く。
満足度200%。

最近、聞いた直後には話の内容が
消化されていないことに気づいたので、
感想は後日記します。

佐藤可士和さん、かっこよかった。
すみきちさん、天然に可愛かった。
茂木先生、最高。

プロフェッショナルのDVDケースに
サインをいただきました。
HI350209.jpg

「テントウムシハ太陽ヲメザス。」
もぎけんいちろう

と書かれています。
妙に沁みます。
タカラモノです。





2006⁄11⁄18(Sat) 21:43   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top
ニキフォル。


午後から、東京都写真美術館で上映中の
「Nikifor」を観てきました。

晩年に漸く評価されたといわれる
ポーランドの画家・ニキフォルを描いた作品です。

画家や作品については、たまたま写真美術館のサイトを見て
知ったので、予備知識はなかったのですが
公式サイトに掲載されていた作品数点と
「神様がくれた色遣い」というフレーズに惹かれて
行きました。

http://www.syabi.com/details/mo_nikifor.html
http://www.nikifor-movie.com/

かなり淡々と人物像を追っていく映画ですが、
どことなくおかしみがあって、個人的には好みの作品でした。
主人公であるNikiforは男性なのに
女優が演じて違和感がないことに驚きました。

2度ほど出てくる雪景色の村落俯瞰映像、
灯りがとても美しいです。

美術館には10点程度の原画しか展示されておらず
映画の上映がメインです。

経済状況をかんがみて、かなり悩んだのですが、
検討の結果、これは買いだ!
と出たので、カタログを買ってしまいました。
(最近、美術館に行くとすぐ買っちゃうんだよね)
鮮やかな夕焼け空を背景にした建物画が
とても好きです。

言葉としては紡がれなかった想いが
筆から溢れ出たんですね、きっと。



夕刻、暇な電話番バイト。
新しく知り合った人に自己紹介代わりに話している
脳科学&茂木先生の話から
彼女が関心を持っているという
脳に障害を持ったLDという症状をお持ちの方を支援するNPO

http://blog.livedoor.jp/npo_edge/

の話に飛び火して
そういえば今日見たNikiforは言語障害を持っていて…
てな話になり、盛り上がりました。

思いがけず、色んなことが繋がるのが
人間が知り合うことの深さ、意外さですね。
これもご縁ですなあ。

20代前半とおぼしき彼女は茂木センセイを知ってました。
(プロフェッショナルも面白いと言っていた。エライ。良い子だ。…笑)

今日の恵比寿
HI350208.jpg

雰囲気はすっかりクリスマス。
レクイエムを聴きながら。





2006⁄11⁄18(Sat) 00:25   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top
最高!


大竹伸朗さんの話を聞く。
いろんなキーワードをメモしたのだけれど、

最高にかっこいい!(笑)

と言うほかない。

飛び込みおじさん(爆)
その他全てが豪快に壊れまくり、はじけまくっていて。
それでいて完璧。
「カスバの男」の写真を思い出す。

…なんだけど、
言語化した横を、ふっとすり抜けていくもの。
きっとそこに大竹さんの本質がある。

そして、こんな授業を実現させる茂木先生も、
とても素敵だ。

楽しみをシェアできた、嬉しいひととき。



あ、そういえば今日からしばらく
ちょっとした仕事をします(笑)











2006⁄11⁄06(Mon) 19:46   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top
「カスバの男」を読む。


大竹伸朗さんの「網膜」に、
ガーンとやられてしまってから
(最近多用している我ながらのこの稚拙表現
なんとかならないんだろうか…笑)
何故「網膜」なんだろう、と
踏み入れて鳥肌が立った
現代美術館の展示室を思い浮かべながら
考えていた。
分かるようで、分からない。

きっと何かを調べれば
答が出てくるのかもしれないが
どことなくはばかられ
そうこうするうちに夜10時になった。
さて、あと一冊本を読むかと思って
ベッド脇に見事に積まれた本を手に取ったら
それが「カスバの男」。
スケッチが気に入ったので
絵が挿入されていることだけ確かめて
買ってきて以来、
見事にビニールに入ったまま積読と化していた。

なんてこった。
と頁をめくって最初に飛び込んできたのが

「網膜は窓であり、その向こうに人が立っている」
(『マティスとピカソ 芸術家の友情』より)

って言葉だった。

これか。
一瞬にして脳裏をいくつかのイメージがかけめぐる。
美術館の地下図書館に置かれていた
大竹さんが選んだ本100選の中にあった
窓枠をわざと写した風景写真集とか
確かカンヴァシズムと題された
何もない空間を囲った巨大額縁などもろもろの、
あの展示室の作品たちとか
膨大なコラージュの対象となるのは
元の素材においては、いわゆる脇役であるらしいとか

そういったことが頭の中で
しばし雪崩を起こし、
自分の中で、勝手につながってしまった。

アートの解釈は難しい。
何が正解なのか、なんてよく分からないし
正解があるのかどうかすら分からない。

でも、ランダムに見えた何かが
一気に繋がる瞬間は、なんともいえない快感がある。
ひらめきという果実は
長く待っての収穫であるほど
爽快な味がする、
…ような気もする(笑)
カスバの男―モロッコ旅日記 カスバの男―モロッコ旅日記
大竹 伸朗 (2004/07)
集英社

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しかし、この本を読み終わるや、
いてもたってもいられなくなって
モロッコに飛んで行ってしまったという
角田光代さんも、これまた凄いひとだ。
とはいえ、そんな話にも頷ける
強烈なインパクトの絵と文章である。
おすすめ。






2006⁄11⁄05(Sun) 22:50   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(2) | Trackback(0) | ↑Top
ビル・ヴィオラ「はつゆめ」。


以前からチラシが自室の壁に貼り付けてあって
いつか行かなくちゃ、と気になっていた
ビル・ヴィオラを見に森美術館へ。

これは、やられました。
のっけから「クロッシング」で一発KO負けという感じ。

個人的に一番参ったのは
「ベール」。
周りに東京見物に着たおじいちゃんたちが
いなければ、
そのまま「あっち側」に連れていかれたでしょう、
という強烈な引力。


「オブザーヴァンス」、
心臓弱い方は見ないほうがよいでしょう。

何を言ってるのかとても気になって
3回見てしまった
「グリーティング/あいさつ」。

人間の目って
こんなに問いかけてるんだ、と思わせる「アニマ」。

超エロティックな「静かな山」。

豪快な「ミレニアムの5天使」。

そしてアテネオリンピック用に製作されたという
「ラフト/漂流」は
私たちの人生が、いかに困難で悲劇的であっても
人間は生き延び、進み続けることを私は固く信じている…(大意)
というビル・ヴィオラのメッセージが伝わってきます。

じっくり見れば2時間はかかります。
強烈なので、しっかりごはんを食べてから
見ることをオススメします(笑)
必見。
http://www.mori.art.museum/jp/index.html



フルーツワインを飲みつつ
「僕の大事なコレクション」を見る。
僕の大事なコレクション 特別版 僕の大事なコレクション 特別版
イライジャ・ウッド (2006/11/03)
ワーナー・ホーム・ビデオ

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映画館でも見たし、原作も読んだけれど、
また見たくなった。
悲劇は喜劇をもってしか語れない、という原作の
言葉を読んでから見ると
また違った感慨がある。

今読んでいる本
書きたがる脳 言語と創造性の科学 書きたがる脳 言語と創造性の科学
茂木 健一郎、アリス・W・フラハティ 他 (2006/02/03)
ランダムハウス講談社

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2006⁄11⁄05(Sun) 18:24   アート・デザイン・建築・空間・写真 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top

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