日本語って


水村美苗「日本語が亡びるとき」読了。
たしか梅田望夫さんがブログで賛辞を呈していた本だったと記憶していた。
叡智を求める人、という書き方がされていたが、
科学をはじめとする学問領域に住まいする人たち、
また自分の発言を世界に流通させたいと思う人ほど、
より英語で読み書きするようになり、(日本語でしなくなり、)
その悪循環によって、漱石を頂点とした日本近代文学は亡び、
自覚なき日本語教育を続けていく限りにおいて
いまの日本文学も亡びる運命にあるのではないか、
危ないぞ、という提言の著である。

なるほど、一理あるような気がする。

関係ないかもしれないけれども、
たとえばサイモン・ラトルの出現が
クラシックの起死回生ホームランになるかも、というようなことがあるとして、
似たようなことが日本文学にも言えるってことはないんでしょうかね。
誰がとは言いませんが、これからだって、漱石あたりに感銘を受けた新人作家が
漱石をしのぐ日本文学を目指そうとして
日本語で書こうと思って出てくるってことも、あるかもしれないし。
こういうのが「日本語はだいじょうぶ」という根拠のない楽観で、
いけないのである、といわれそうだけれども。

めずらしく売れ筋の本を読んだので記録しておく。


とはいえども、自分を振り返ると、
日本の今生きている作家の小説って読む気がしないのは確かで、
(小説以外の書物で読みたいものは多い)
最近は英語の勉強にってことで、どんどん英語しか読まなくなっている。
図書館でも借りたのはThe NEW YORKERと
DickensのA tale of two citiesだったしなあ。
(読了するかは別として、、、)

大学時代にいわゆる叡智を求める生き方ってものをしなかったせいで、
英語勉強不足のツケが今頃回ってきて苦労している。




自分の日本語能力減衰に対するハンセイというわけでもないけれども、
白川静「漢字逍遙」を買って、
更に最近松岡正剛さんの白川静って本が出たとかで、
とりあえず勉強しにこんど丸善のトークショーに行ってみることにした。

あ、漢字だから日本文学とは関係ないか、、、

でもさ、たしかに現代の小説では、あまり、これ、というのがないかもしれないけれど、
日本語ですぐれた文章を書いてくれてる人たちは沢山いるわけで、
読もうという気さえ起こせば漱石だって青空文庫で読めるわけだから、
日本語もまだまだ捨てたものじゃないと思うんだけどなあ。甘いんですかね。



図書館で借りてきたバッハのリュート組曲を延々とかけている。
バッハの単一の楽器によって演奏される曲というのは、
ゴルトベルク変奏曲を筆頭に、リズムが単調なせいもあるが、それが悪い意味ではなく、
とにかく気持ちが落ちつく。






2008⁄12⁄01(Mon) 00:27   もろもろ | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top

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