手づくりの愛嬌。


なんでも手づくりがいい、というほど時間も根性もないけれど、
手づくりのものには、どこかしら愛嬌がある、と思う。

少し前、駅から家までの間に一軒の居酒屋さんができた。
この居酒屋さんは、若者有志二人で立ち上げたのだろうと思われる
こじんまりしたカウンター席だけの店で、最大収容人数は、8人ぐらい。

居酒屋に入る習慣がないので、いつも表から店の明りと
黒板に書いたお品書きを眺めて通り過ぎるだけなのだが、
真っ暗な車道沿いの道に橙色の光を見ると、
おかえり、と出迎えてくれているようで、なんだか嬉しい。

店が出来上がるまでの過程も、やはり通りすがりに眺めてきた。
藁葺き風の屋根や木の風合いを生かした内装が徐々に形を成し、
出来上がった店に、なんとか人が入るようになって、
経営が軌道に乗ってきたような様子を見ると、
我が子の成長を見るような親しみを感じる。

つまりは、手づくりには時間がかかり、時間経過ととともに
完成に近づくまでのプロセスが楽しめるから、その間に愛着が湧く、
ということかもしれない。

当初バラバラだった材料が、やがて集積し、進化し、成長していく過程こそ、とても貴重なものに違いない。

この店の話だけではなくて、志ある人の一生懸命な姿を見るのは楽しい。
そういう人たちは、ある種のオーラというか、光彩を放っていて、見た者に勇気を与えてくれる。
泥臭いながらも高みを目指す真摯な生きざまが、「手づくり」の愛嬌に通じるような気がする。


まっすぐに、がんばってほしいな。
わたしもがんばるね。


そんなことを、ある時は近く、そしてある時は遠く、
通りすがりに眺めながら、思ったりする。





2006⁄06⁄16(Fri) 01:13   風景 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top


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