時間、学び、もろもろ


体調が快方に向かっていると気付いたのは
有楽町からの帰路だった。

コールセンターで働いていた頃、
鼻が完全閉塞して口呼吸するせいで
喉まで腫れて声が出なくなったことがあった。
明日はどうしても休めないから
声が出るようにしてほしい、と近所の耳鼻科に駆け込んだ。
先生は困ったような顔をして
「薬を飲んでも、病気というものは、
治るのにある程度時間がかかるものです」
と言った。

このところ身体性と時間という言葉が思い出されるときに
一緒に浮かぶのが、
その言葉だった。

午後のフォーラムで、たまたま
ジェイムズ・ジョイスの家族写真がスクリーンに映し出されて、
そうそう、早く『ユリシーズ』を読まないと、
と思い出した。
なにしろ「意識の流れ」という
本のオビにつける惹き文句みたいな手法が使われているそうだから。
帰宅後、徒歩20分程度の行きつけない地域図書館に
丸谷才一さん訳の蔵書があるのが分かって、
散歩がてら行く。
ついでに目にとまったベルグソン『思想と動くもの』も借りてみたら
どうもこちらのほうが、今は面白い。

「追憶を不思議な、もしくはいずれにしても縁のない事実、物質から精神に与えられた援助だと見ています。それとは反対にあるがままのわれわれをとりもどしましょう。厚みがあるばかりでなく弾性的な現在、われわれをわれわれ自身から遮っているスクリーンをもっともっと遠くへ押しやって向こうの方へ無際限に拡げていくことのできる現在のなかでとりもどしましょう。あるがままの外的な世界をとりもどしましょう。現在の瞬間に表面においてだけではなく、現在を圧迫してそれにはずみをつける直接の過去もふくめて深さにおいてもとりもどしましょう。一口に言うとすべての事物を持続の相のもとに見るような習慣をつけましょう、そうすればたちまち、われわれの鍍金がかかった知覚のなかで、こわばったものが緩み、眠がっているものが目を覚まし、死んだものが生き返ります…」(『思想と動くもの』ベルグソン著)

午前中に聞いた
過去は育てられる、という言葉を思い出す。
one-shot learningの話も聞けて嬉しかった。
「教師が決めた正解」のない学びの可能性は開けている。
Learning,learning,learning,
すべては生きるために。









2008⁄02⁄21(Thu) 00:40   もろもろ | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top


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